菊地成孔・大谷能生『M/D』

 こんな機会でもなきゃ読み通さないだろうと思って手をつけたこれをなんとか読了する。やっぱり、雲隠れした『カインド・オブ・ブルー』をはじめ、楽曲の分析をもっと読みたいよ。とか、いろいろ注文を付けだしたら、この本、どれくらい長くなったんだろう?基本線はこんな感じか。マイルスは、もともと和声進行でいくビ・バップには不適応で、根っからのモードの人だったと。この点、ケイ赤木氏とのインタビューで、晩年のマイルスが「バックとは違った調性でブルースのフレーズを吹いていた」ことを確認できるのはとても印象的かつ面白かった(676頁あたり)。しかし、手許にCDがない状態で読んでたから、今度はCDをかけながらパラパラ読み返してみなくっちゃ。

M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究

M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究

まあ、こっちに楽曲の分析はちょこちょこ出てくるわけですが、あれ、いつの間にか文庫化されてる。