The Who

 (おそらくは最初で最後の単独)来日したからというわけでもないが*1、最近、もっぱらフーばかり聞いている。棚からいろいろ引っ張り出したら、いつの間にか結構な数のフーのCDがそろっていた。それをとっかえひっかえ聞いているのだが、ボクの受ける印象として、フーって、ロックらしからぬというか、ロックらしいというか、少なくとも、ロックンロールでもブルースでもない。とにかく、そういうグルーヴがほとんど感じられない。それは、あのはちゃめちゃなドラムとベースを聞けばよくわかるはずだ。ハード・ロックなの?プログレなの?テクノなの???ってのもあるし。だからといって、ノリがないかといえばそういうわけでもない。ボクとしては、フランク・ザッパに感じるちょっとぬるっとした感じにいちばん近い気がしている。思うに、フーが日本で人気が出なかったのは、まさにロックでありながら「ロックらしい」グルーヴに欠けていたからじゃないかな。聞き慣れてくるとそれがたまらないんだけどね。
 特異なドラムつながりということでもう一つ書いておくと、ミッチ・ミッチェルが亡くなったらしい。ミッチ・ミッチェルという人は、ジミヘンのドラマーとしてしか記憶されないのかもしれないけど、ジミヘンの音は、ボクのなかでは、あのつんのめるような感じのミッチ・ミッチェルと込みになってしまっている。バンド・オブ・ジプシーズのバディ・マイルスに文句があるわけじゃないが、やっぱり、ドラムが違うと感じずにはいられない。そう思っている人は結構いるんじゃないだろうか?そして、おそらく、ジミヘン自身がそう思っていたんじゃないか?バンド・オブ・ジプシーのあとは、再度ミッチ・ミッチェルを呼び寄せていたわけだし。

ライヴ・アット・リーズ<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)

ライヴ・アット・リーズ<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)

*1:大阪で見てきましたが、メンバーが二人になってもまだ十分これはフーだって感じでした。