前述の境界例の本のなかに、患者からの贈り物の話があって、もしやと思って調べてみたら、この本を発見。フロイトと贈り物の関係が論じられたり、臓器移植をはじめ、移行対象や内観療法も贈り物という観点から吟味される。でも、いちばん印象深いのは、やはり治療中に患者から著者へ贈られた品々にまつわる症例。とくにアクティング・アウトが問題になるような患者であれば、贈り物もその一つとして患者の空想を実演するものになるから、その扱いも難しくなる。ところで、著者によれば贈り物を受け取ることが多いのは女性患者からだとか。これはなんらかの有意な事態を示すものなのだろうか?
- 作者: 成田善弘
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: 単行本
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