なぜかプーチン

 今日もお昼にドキュメンタリー。プーチンが大統領になったとき、なんでいきなりととても不思議だったのだが、これを見てよく分かった。エリツィン政権の末期、エリツィンの健康状態は最悪で政治的決定のかなりの部分はエリツィンの家族など取り巻きたちが行い、それが不正の温床になっていた。共産党との妥協で選任された首相のプリマコフはこうした一連の不正の解明に乗り出した。
 そのときエリツィン一派を庇うことで一派から注目を浴びたのがプーチン。これをきっかけにしてプーチンは一派の傀儡として大統領候補に押し上げられるまでになる。だが、プリマコフの国民的人気は圧倒的。プーチンを首相にしたエリツィン一派は、メディア・キャンペーンと戦争(チェチェン紛争)を利用して、プリマコフの追い落としを図る一方、プーチンの人気を挙げ、エリツィンから大統領ポストを禅譲させる。エリツィン一派の傀儡になると見られたプーチンだが、大統領就任後は一派の追い落としを図り、強権的手法でもってロシア経済を復興させる*1
 唖然とするような話だが、一方で、評価はともかく、自分に降ってきた機会を巧みに利用したプーチンに凄味を感じることも確か。プーチンってどんなヤツなんだと興味が湧くわけだが、この番組(当たり前だが)プーチンにパージされた側からしか話を聞けていないので、プーチン・サイドの内幕はほとんど見えてこないのだ*2。フランス制作。

*1:これ自分で確かめたわけではないが、大統領選関連の報道番組で、実はロシアの経済復興はプーチンが大統領になる以前、エリツィン時代から始まっていたとか、あらら。レーガン評価と似たところがありますな。

*2:それをこれで補ってみるというのはありだと思いますよ。http://litvinenko-case.com/