なぜかパキスタン

 国際情勢を考えるときパキスタンが重要な位置を占めるということに気がつくようになったのはわりと最近のことだった。そしたら、あっという間にブット元首相が暗殺されてしまった。なぜ重要かといえば、よく言われるように、パキスタンアメリカのテロ対策の最前線に位置する。ところが、他方でパキスタンイスラム過激派の拠点でもあり、しかも、クーデターで政権を確保した軍人上がりのムシャラフ大統領は必ずしも国民から広範な支持を得ているとは言い難い。そのうえ、パキスタンは核保有国であり、やはり核保有国のインドとも国境をめぐってきなくさい関係にある。いろんなところに導火線がつながってるようなものだろうか?このドキュメンタリーは、アメリカがいずれも親米という点では共通点があるムシャラフと民主派のブットとの手を握らせようとしてそれが破綻した経緯と、テロに脅える町の実態をレポートしたもの。で、ムシャラフ政権は選挙に大負けした。これはおそらく民意を反映したものと言ってよいのだろう。でも、これから先はどうなる?