われらカントの末裔として

 せっかくなのでこれも読んでみることにしたのだが、なかなか進まない。とりあえず、ここをメモ。

構成主義にあっては、正義の構想は理想的な人格や社会についての理念から〈構成〉されることによって、その理論上の「望ましさ」が正当化されることになる。しかしながらさらにこの構想が我々と我々の社会にとっても妥当なものであるとして正当化されるためには、我々の現実世界の〈解釈〉に基づいて、その「実現可能性」がテストされなければならない。すなわち正義の構想は、理想化された人格による仮想的な合意という思考実験によって論理的に導き出されたうえで、我々自身と我々の願望についての深い理解や、我々の公共的生活に組み込まれている我々の歴史と伝統を踏まえ、その構想は我々にとって最も理に適った理論であるという我々の認識と「調和」していることによって、正当化されなければならないのである」(26頁)

ロールズのカント的構成主義

ロールズのカント的構成主義