(続き)文脈はあらあじめ与えられているのではなく、理解過程の全段階で特定されていく。この特定にあたっては、「新しい想定を処理するのに使われる文脈は、本質的には個人の古い想定の部分集合であり、新しい想定がそれと結合して様々な文脈効果を生みだす」(160頁)。
「関連性の原則」:「すべての意図明示的コミュニケーション行為はその行為自体の最適な関連性の見込みを伝達する」(192頁)。ただし、この「最適な関連性の見込み」は反証されることはあっても、確認されるだけで立証されることはない。そして、関連性は仮説が検証される順番に影響している。「関連性の原則は、単一の意図明示的刺激に対して二つ以上の解釈の選択をふつうは許さない」(204頁)。
- 作者: D.スペルベル,D.ウイルソン,Dan Sperber,Deirdre Wilson,内田聖二,宋南先,中逵俊明,田中圭子
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ひとは発話をどう理解するか―関連性理論入門 (言語学翻訳叢書 (第3巻))
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