戴震と近代中国哲学
日本に西欧哲学が導入されるのをきっかけとして、「中国哲学」という発想も生まれてくるわけですな。ということは、中国語における「哲学」ないしは「中国哲学」という発想は日本語に由来すると。まあ、「哲学」という訳語の由来を考えてもそうなるよな。梁啓超や王国維はこうした日本での「哲学」にふれ、否定的ではあるが戴震の再評価を行うことになると。この辺、日本の哲学史のおさらいして考察すべきだろうが、いま見るとこの「哲学」はむしろ「精神科学」ってイメージを抱かせるところがあるな。章炳麟や劉師培になるとむしろ西欧思想の影響を戴震に読み込むかたちで、戴震が一種の革命思想として評価されてくることになる。
- 作者: 石井剛
- 出版社/メーカー: 知泉書館
- 発売日: 2014/01/15
- メディア: 単行本
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