「構造概念を予期によって定義するこの理論にとって、主観-客観ー区別は重要ではありません」(114頁)。
これは分かりやすい説明。「わたしは主体概念が持っていた説得力は、社会理論の展開がまだ不可能だった状況において主体の理論が形成されたということに関係していると思います。---。それによれば、人は一方でもはやかつての自分ではなく、他方でいまだなりうる自分ではないということになります。つまり、誰もが政治に関与し続けられるような立憲主義、人権、民主主義の未来、あるいは自由な市場を作動させることで福祉が増進した未来、そんな未来が待っているというわけです」(172頁)。
システム理論入門―ニクラス・ルーマン講義録〈1〉 (ニクラス・ルーマン講義録 1)
- 作者: ニクラスルーマン,ディルクベッカー,Niklas Luhmann,Dirk Baecker,土方透
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (35件) を見る