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 特定秘密保護法案の通過を意識してかな、発刊がぎりぎりになったな。これ、別のところでも述べられたようにも思うけど藤原帰一氏の指摘。「要約すると変に聞こえるでしょうが、外国から機密情報を入手するために必要なのではなく、外国に機密情報を提供するため、日本から外国に情報を流すためにこの法律が準備されている」(47頁)と*1。国民の情報が外に漏れても裁判にかけられなくなると。スノーデン氏のやったことはよい意味であれ、悪い意味であれすごいことだったんだな。
 また、たしかにマスメディアに国民の「知る権利」に反すると騒がれるといささか鼻白むところはあったよな。騒ぎ始めるのも一斉で、しかもずいぶん遅かったし。それよりは、情報公開が原則で機密保護が例外、特定秘密保護法が民主主義とバッティングするということを含めてきちんとした議論が必要だったんだな*2。さらに、豊崎七絵氏によれば、「このような罰則は、事実上、行政機関の決定に広範に委任するという意味で、罪刑法定主義に反」するとのこと(40頁)。
 

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

*1:これが先触れだったわけですな。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130906/plc13090614230012-n1.htm

*2:河野太郎は決まった”あと”にこんなこと言ってる。http://www.taro.org/2013/12/post-1426.php