柳家つばめ、冒頭から「古典落語は邪道である」。大見得切った。前著とは打って変わって威勢がいい。でも、落語への愛をとっても感じる。解題にもあるが、そこには談志の『現代落語論』につうじるものを感じる一方で、ちょっと吉本主義者のような感じも。しかし、権太楼って元はつばめの弟子だったんだね。
いずれにせよ、落語の「現在性」を問えば、そもそも古典とか新作とか区別する意味はたしかにない。とはいえ、ガキの自分の新作落語はつまらなかった。そもそも、どこが新作なのか分からなかった。才能を見込まれて新作一本で仕込まれたという米丸は、単に八っつあん熊さんの出て来ない、一昔前の話をしているようにしか聞こえなかったし、柳昇は結局のところいつも同じネタを繰り返しているだけだった。録音で聞いた今輔も退屈。でも、一昔前はあのおばあさんシリーズが受けたんだってね。当時、つばめさんを聞いてみたかった。
今だと、昇太や志の輔がやる新作は面白い。昔ながらの落語の味わいと現在の感覚を結びつけていると思う。とはいえ、昇太の独演会で全部新作をやられたらやはり耐えられないとおもう。これはなんなんだろうな。私が、少しばかりむかしを知っているせいなのか。ちなみに、つばめ師がなくなったのは今のわたいと同い年。だったら、私もテレビ局出入り禁止になるぐらいの過激なことをやらんうちには死ねんな。
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