�川の宗教

 やっとベラーに復帰。やっぱり、この本面白い。江戸時代というのは「経済に政治価値が浸透している」と(231頁)。つまりは、勤勉と倹約。日本語との「職分」という語は、「それは、職業が、たんにそれ自体を目的とするのではなく、社会の一部分を構成することを意味している。人間の職業は、人々が社会に負うている責任を果たすことであって、社会から恩恵をうけることを正当化するものこそ、人々の果たす役割である」(228頁)。そして、武家とよく似た商人倫理や農民倫理が確認されていくことになる。どう考えても、和辻の議論よりこちらがもっともらしく、和辻も批判的に言及されている。そして、何よりも石田梅巌に一章さかれている。
 

徳川時代の宗教 (岩波文庫)

徳川時代の宗教 (岩波文庫)