「簡単に言えば、それはSollen(倫理的当為)を力説してSein(人間の現実の姿)について掘り下げないという思考様式になってゆく」(51頁)。半分わかって半分肯定できない。わたしは、和辻が論じようとしなかった日本近世を考えるとき、実は和辻の思考様式がよくわかってしまうと思っている。もっと江戸と明治の連続性を考えるべきだ。しかも、冒頭で和辻を日本文化論として読んでは面白くないと言っているのだから、単にSollenに流れるというだけではないはずだ。もう少し言いたいこともあるがもう少し読んでから。
- 作者: 湯浅泰雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1995/05
- メディア: 文庫
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