近世の村社会と国家

 オームスが『�川ヴィレッジ』で下敷きにしている本*1。この本の冒頭で「さて、17世紀における「村方騒動」を主体や要求に着目して時期区分すると、それは結論的に威って寛永末年ー慶安期に一つの画期を置くことができる」(5頁)。まさにオームスが切断線を引くところだ。そして、つまるところ、これはそれまで中途半端な位置にあった「年寄」が「庄屋」として領主の名代化する一方で、それに「小百姓」が対抗して「村方騒動」が起こるようになっていくというのが構図だな。いいかえれば、農村における階級分化が完成したのは入幕して以降の話だと。ここまで確認する必要があるのかと思いつつ、ついこの本を買ってしまったばかりに---。しかし、ここから話を始めてしまうと、それ以前に起こった出来事と、この境目論のどちらが重い比重をもつのかわからなくなってしまうのだが、この先、そういうことにはふれてもらえるのかな。
 

近世の村社会と国家

近世の村社会と国家