インターネットの心理学
この本なんとなく読む気がおきなかったのだが。読んでみたら思いのほか役立つ知見がのっていた。これが一番、面白かったとこかな。
研究を重ねた結果、メンバーが個人でアイデアを検討したグループのほうが、集団ブレーンストーミングの手法を利用した同人数のグループよりも、多くのアイデアが出てきたのだ。この原因は、主として生産的思考の中断にある。集団では一度に一人しか発言できない。他人の意見に耳を傾けていたら、相違に富む自分自身のアイデアが浮かぶ可能性も低くなる(110頁)
。
ところが、
参加者はコンピュータの前に座り、自分のアイデアを一つウィンドウズに入力する。アイデアの入力がすむと、もう一つのウィンドウズに他人のアイデアと共に表示される。この新しいブレーンストーミングの有効性を調べた研究者たちは、驚いたことに、コンピューター支援によって、まったく異なる結果が得られることを見出した。グループサイズが大きい場合には、コンピューターを介したブレーンストーミングの方が優れていたのである(111頁)。
ここでは、それを説明する仮説として、集団でブレイン・ストーミングをやると、個人の思索が妨げられてしまうが、インターネットを介すれば、たとえば行き詰まったときなど、自分の都合のよいときに他人のアイデアにアクセスすることができる一方、自分のアイデアを練り上げたいときには、他人の意見に左右されることなく、思索にふけることができるからだという主旨の説明が与えられている。
- 作者: パトリシアウォレス,Patricia Wallace,川浦康至,貝塚泉
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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この本を買っていたことを某所で気づかせられたのだがまだ発掘できないのであわせてメモしておく。
Conversation and Technology: From the Telephone to the Internet
- 作者: Ian Hutchby
- 出版社/メーカー: Polity
- 発売日: 2001/02/08
- メディア: ペーパーバック
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Media Talk (Issues in Cultural and Media Studies (Paperback))
- 作者: Ian Hutchby
- 出版社/メーカー: Open University Press
- 発売日: 2005/12/01
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