フィッツカラルド

 またもや夜な夜な。こいつはやっぱり見たくなるよね。ずっと起きてられたし(最近、寝不足のせいか映画館へいくとたいてい寝てしまう。日中は布団に入っても決して眠れないので、何しに出かけてるのやら)。でも、やっぱりヘルツォークってわからない(ということをわたしは必ずしもネガティヴに見てはいないが)。
 イキトスにオペラハウスを造りたいから、その資金作りのために船を丘に登らせて並行しているもう一本の川に渡す。ストーリーはしごく明瞭なのだがまともじゃない。そして、この気違いじみたことをやりたいのは、主人公ではなくてヘルツォーク自身なのだ。で、代わりに主人公にそれをやらせている。もちろん、そんなことができるのは変人クラウス・キンスキーしかいない(当初の主演は、ジェイソン・ロバーツだったんだけど、降板せざるをえなくなって、ヘルツォーク自身が主役を演じなければならなくなりかけたけど、それをキンスキーが引き受けたそうな)。
 しかし、そうするとここで見せられてるのはいったい何なのだろう?一応ストーリーがあてがわれてはいるが、オペラハウスを作るなんてつけたりだろう(とはいえ、最後のオペラのシーンはよい)。それよりも、アマゾン奥地で繰り広げられるもの凄い光景、でもオペラ流して船を山越えさせて何がしたいのだろう? 映画の結末を見てると監督もよくわかってないんじゃないかという気がしてくる。しかも、このスペクタクルのためにキンスキーを使うのだ。見方を変えれば、なんか途方もないプロジェクトのドキュメタリーを見せられてるようでもある。あと、クラウディア・カルディナーレもよい。
 

フィツカラルド [DVD]

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