『日本の中世国家』
とにかく、まずはリハビリがてらに本を読み続けようということでこれ。原則、現代社会とのつながりを考えるためには、鎌倉期末より遡らなくてもよいということできたのだが、律令国家の解体後に成立した王朝国家が中世国家の祖型となると言われてはこれも読まざるをえまい。で、とても面白い。
中世国家の祖型となる「王朝国家」の特質は、12世紀前期に成立した家業観念を前提とする「宮司請負制」に求めることができる。統一権力を希求する後醍醐が試み挫折したのがその解体でああった。「個々の氏族の立場からいえば、独占的に請負うこととなった宮司の運営は、その氏族の家業であり、この家業はさきに述べたように、業務の運営が即、収益を生みだすという意味で、家産であった」(48頁)。「律令制的な公職の観念、従って当然に官人における公私の観念に変化があらわれ、いわゆる中世的な公私混淆、公私の別の不鮮明さが、実態としいの両面に色濃く広がっていく」(44頁)。
もう一つの中世国家の型である鎌倉幕府は、主従性的支配権(将軍)と統治権的支配権(執権)が分裂した二頭政治の構造が得宗専制へと移行していくが、この二元性(尊氏・直義)や統一権力への志向(義満)は室町幕府にも受け継がれていること。
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この先はこれで少しは補えるかな。
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