クリスマス・ストーリー

 タイトルからだとこころひかれるものがないのだが、面白いらしいという評判を聞いて見に行った。登場人物が多いし、人によって相手の呼び方が変わるのでときどき誰のことを話してるのか分からなくなったりしたけど、面白かった。主人公が精神的なトラウマ抱えていて(しばしば、エディプス・コンプレックス)、それを最後に解決というのはハリウッド映画でよくあるパターンだけど、これはもっと複雑、他方、特別盛り上がるような場があるというわけでもないんだけど十分見応えがある。
 ストーリーの基本構造としては、白血病で骨髄移植の適合者が見つからずに幼少時に死んでいった長男が幽霊というか影の主役になっていて、この家族の関係を規定している。ところが、母が白血病になるという反復を介してそれがどうなるかというところにあるかと。そこに、兄の死による反動でぐれた次男と姉の息子が分身的な関係にあって、さらに三男は---とか、かなり複雑な構成がうまく組み立てられてる。