次のとっかかりにこれを読んでみた。
いわゆるインターナショナリズムが、国境を消滅させると考えるのは間違いである。それは見えざる境界を維持し続けるのであり、その境界が内向きに機能すれば、かつての日本のアジア主義のように、他民族の自立や独立を封じ込める暴力として機能するだろう。重要なのは、国境の無化ではなく、その国境を揺さぶり、相対化するような回路を、つまりは「意識的パーリア」の可能性を、国境そのもの中に書き込み、維持することなのである(175-6頁)。
- 作者: 市野川容孝,小森陽一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 単行本
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