『難民』

 次のとっかかりにこれを読んでみた。

いわゆるインターナショナリズムが、国境を消滅させると考えるのは間違いである。それは見えざる境界を維持し続けるのであり、その境界が内向きに機能すれば、かつての日本のアジア主義のように、他民族の自立や独立を封じ込める暴力として機能するだろう。重要なのは、国境の無化ではなく、その国境を揺さぶり、相対化するような回路を、つまりは「意識的パーリア」の可能性を、国境そのもの中に書き込み、維持することなのである(175-6頁)。

難民 (思考のフロンティア)

難民 (思考のフロンティア)