ヴェトナム戦争の記憶/記録

 「ハーツ・アンド・マインズ」(74)、「ウィンター・ソルジャー」(72)。まったく異なるアプローチから撮られた2作品だけど、いずれも捉えた映像がスゴイ。当時、こんなドキュメンタリーが撮られてたなんてまったく知らなかった。
 それに、兵士たちがジュネーヴ協定を知らなかったとか、「死体はすべてベトコンである」と説明を受けていたとか(つまり、ヴェトナム人を殺せばすべてベトコンになってしまう)そんな話を聞かされていくとき、米軍の実態は、第二次世界大戦時の日本軍と変わらんじゃないかというべきか、イラク戦争でも同じじゃないかというべきか。いったい何が変わったんだろう?
 また、80年代に入るあたりから、ヴェトナム戦争を扱った映画が撮られるようになり、ビリー・ジョエルブルース・スプリングスティーンヴェトナム戦争のトラウマを主題にして歌ったりしたわけだけど、あれって何だったんだろうと思えてくる。
 あと本筋からは全然はずれるんだけど、兵士たちの発言を聞いていて、黒人と白人じゃ英語を話すときのリズム感が全然違うと思った。黒人の方が、もちろん程度の差はあるが、歌うように語るのだ。