俺の眼鏡知らないか?

 久々にバッパーズを聞いたら、やっぱり楽しい。シリアスなメッセージ・ソングよりも、こういうやり方の方がフックが効いてる。いまじゃ、このセンスちょっとないよな。そもそもシリアスなメッセージ・ソングすらないのだから。もうクレージー・キャッツは王道に復帰できないのか?
 同じ歌が歌詞を変えて歌い直されるというのもいい。そもそも同じ歌をいつも同じ歌詞で繰り返し歌わなきゃいけないなんてほうはない。そうなったのは、明らかに楽曲が商品として、レコードや放送媒体として登場するようになったことと関係があるだろう*1。つまり、テレビやライヴでもいつも聞いてるとの同じようにやることが期待されるようになっていくわけだ(他方で、録音技術が発達すると、それをライヴでどう再現するのという問題もでてくるわけですが)。聞いてる方も替え歌作って遊んだりするわけだし、歌う方に遊び心があったっていい。いずれにせよ、作品って公表されてしまえば、制作者の手を離れてしまうものだと思いますよ。
 などということを考えながら帰宅したら、テレビで中村八大の楽曲を歌うという特番が放送されていた。この人の曲の少なからずは、転調してどんどん上がっていくというスタイルになってて(そういえば松田聖子やマッキーにもそんなところがありますが)、そのなかにジャズを感じさせる部分がある*2。いつもながら、昭和30年代の楽曲を聞いてるとそのモダンな感じがいいよなと思ってしまう。この時代の歌って継承されていかないのだろうか?

Seven&Bi-decade

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*1:ちなみに、『ラ・バンバ』では、毎回歌詞を変えて歌っていたリッチー・ヴァレンスがレコードディングの過程で「飼い慣らされていく」姿が描かれている。ロス・ロボスがやってるから、この映画、音楽もよい。

*2:はじめてこれを聞いたときはちょっとした驚きだった。

メモリーズ・オブ・リリアン-STEREO&MONO-完全版

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