矢沢永吉『アー・ユー・ハッピー?』
ちょっと気になったので、永チャンのもう一冊の本も読んでみた。そしたら、永チャンはプロモーターと手を切って、基本的に自分のところでコンサートの制作を手がけていることが分かった。だから、あんなに音がよかったんだ。ちなみに、名古屋ドームのサイモン&ガーファンクルの音は最低だった。いやー、そこまで徹底してやるんですな。他にも例のオーストラリア事件のことの次第や某国営放送で「ドゥ・ユー・ノー・ミスター・ヤザワ?」と題して放送されたコンサートのことが書いてある。この番組、とても面白かったんだけど(それに、しがない中年教師役をやったあのドラマだって見てますよ)、ありのままを出せというのは永チャンの意志だったらしい。ちなみに、この番組、小田和正の「クリスマスの約束」にちょっと似ている。
本ではなく、私の記憶にしたがうと、ロンドンでロックン・ロールの歴史を回顧するとかいうフェスティバルがあって、永チャンはアジア代表みたいなかたちで呼ばれている。共演するミュージシャンは、ロッド・スチュアートやロバート・パーマーをはじめ、世界的に名を知られてミュージシャンばかり。当然、永チャンの分が悪い。そのせいか、リハの段階でも永チャンだけ扱いがひどい。「ヤザワを知ってるか」と聞かれたロッドが「知らない」と答えて、共演する日本のミュージシャンだと聞いてちょっとあわてるシーンがあったり、当日、ファンに聞いても「ヤザワ、知らないね」って感じ。たしか、ロバート・パーマーからは、当日、花束を贈られてた。でも、いざライブが始まってみると、永チャン、他のミュージシャンと比べてまったくひけをとらない。さすが矢沢、根性座ってるなーという感じで見ていたのだが、番組の最後は、コンサートから帰る客たちに、もう一度「ドゥ・ユー・ノー・ミスター・ヤザワ?」と尋ねるという場面。すると「うん、かれはよかったね」という返事がいくつも返ってくるというもの。もう一度見てみたいな。
- 作者: 矢沢永吉,有賀幹夫
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/04/24
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