演劇の歴史

 今日からは堅気な生活に戻ろうと思って読了。フランスを中心に演劇の歴史を知るには一番お手軽な本なのかしら。18cは商業化も進んでいき、それだけ受け手も多様になっていく時期ということで、やはり転機になっていくという話なわけだけれど、ボクの知りたいことはあまり出てこない。18cそのものを扱った本を読まなければならないのだろうか?とりあえず、以下のような記述から観客や登場人物の内面的な問題が次第に浮上してきていると指摘してもいいんじゃないかと思う。

考え方としては、はるか遠い古代の英雄たちを描き出すストーリーがただちに現代の観客を感動させないにしても、舞台上の出来事が観客やそのおかれたた状況に充分近ければ、その効果が有効であると考えられる。幻想の問題は感性の名のもとに繰り返されることになる(83頁)。

このように、アンシャン・レジームの理想である「オネットム」への風刺は、新しい理想である「オム・オネット」の有利になるように表現される。

演劇の歴史 (文庫クセジュ)

演劇の歴史 (文庫クセジュ)