和辻哲郎『倫理学』

 文庫化したことだし、いつまでもひろい読みですませるというわけにもいくまいと読み始めるが、ついつい他の本に流れてしまう。それでも、ようやっと一巻を読了。とりあえず、このあたりの議論を再確認したかったのだけれど、他にも面白い論点がありますね。

公共性は世間に隠されていないこと、すなわちあらゆる人の参与の可能性である。人々がある存在に参与し、その存在をともに分かち合うことができれば、その存在は公共的である。従って公共性は、人がその存在に他人の参与を欲しない程度に応じて、さまざまの形態において欠如する(228頁)

倫理学〈1〉 (岩波文庫)

倫理学〈1〉 (岩波文庫)