シンミョン「立ち上がる人々」

 白川公園で、シンミョンという韓国の劇団の「立ち上がる人々」というお芝居(マダン劇)を見てきた。マダン劇というのは朝鮮半島の伝統的な演劇スタイルらしいのだが、70年代以降韓国で組織されていった「マダン劇運動」は、朝鮮の民俗文化を継承しながら軍事独裁政権に抵抗する文化運動として展開されてきたとのこと。このシンミョンという劇団もそうした運動の系譜に位置するもので光州で結成されている。そして、5月マダン劇『立ち上がる人々』が主題にするのも光州事件のことだ*1
 ストーリーのちょっとマッチョな感じにいささか違和感を覚えはしたけれど、音楽に歌や踊り、観衆とのやりとりも交えたこっけいな仕草など、見ていてとても楽しめた。なんというか役者や楽士の身体の存在を感じさせるような舞台だった。マダンというのは広場という意味らしいのだが、舞台と客席のあいだを縮めていくようなパフォーマンスにしても、演じられるストーリーの政治性(あるいはそこから呼び起こされる記憶)にしても、白川公園という広場にふさわしい舞台だったように思う。
 東京ではまだ公演がある模様(16-19日)。
http://madang07.jpn.org/contents/

*1:光州事件は韓国の民主化運動を語るうえではずすことのできない出来事です。ネットならさしあたりここから、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E5%B7%9E%E4%BA%8B%E4%BB%B6