あまり話題にならない助教制度

 今日の『朝日』の夕刊を見ていたら、今ごろになって大学での助教制度の導入のことが書かれていた。助手とは研究教育の補助のための業務として置かれている職務で、本来は講義を担当できないことになっているらしい。だが、これが実態にそわないということで、雑務をやる助手と研究・教育を行う助教を区別するというのがその建前。で、記事はどちらかといえばこの改定を肯定的に評価する内容だった。

 でも、実感としては、名称を変えたところで実務内容が変わるのかといえばかなり疑問。また、そうした規定はないにもかかわらず、なぜか助教の導入はしばしば任期制とセットにされてしまっている。実際、無任期の助手の契約が一方的に任期制の助教に切り替えられてしまったケースもあるようだ。しかも、この助教は専任教員の数に含まれるとある。となれば、この制度を利用して常勤ポストを減らせば人件費節約をねらえるわけで、経営的観点からの助教導入が進んでいくのではないだろうか?また、07年度から私立大学の定員割れおよび定員超過にたいする補助金のカット率が大きくなっていくのだが(08年度からは国立大学にも適用とのこと)、この二つの実施時期が符合するのはただの偶然なのだろうか?

 大学の教員も使い捨て時代到来? いろいろ気になることがあるんだけど、そんなことに考察を加えている人はいないのか?

廃墟のなかの大学 (叢書・ウニベルシタス)

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