で、これへ回る。しかし、この本、なんど読んでもわからないのである。相互作用システムの同一性判断って、どれほど相互作用システムの存立にかかわるのだろう?ルーマンは相互作用システムというまとまりは、居合わせている/不在であるという区別から特定できると考えている。誰かと居合わせているということがそれなりの意味を持てば相互作用ははじまる。さらに、相互作用システムの構造は「主題」であり、主題に寄与するの参与者が入れ替わっても、相互作用システムは継続する。そして当の相互作用システムを主題化することによって「システム/環境」の区別が成立する。
それから、互いに「居合わせている」ことをその存立構造からはずした相互作用システムという理解がどこからでてくるのかもよくわからない。システムは中断されなければ、再開することはできない。これは、中断という判断を措定しなければ、再開という発想が意味を持たないというだけのことだ。そして、再開した相互作用システムは、中断した相互作用システムをその環境として参照し、二つの「同一性」について語ることができるようになるだろう。つまり、ここでも「反省」(再帰)レベルの同一性判断と互いに「居合わせている」ことから始まる相互作用は別次元のものと考えられているのである。
- 作者: 佐藤俊樹
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2008/10/22
- メディア: 単行本
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