「未来および過去はつねに同時的に現出する」(250頁)。「元来わたしたちが時間を見ることができるのは、それ以前とそれ以後とを区別しうる場合だけである」(258頁)。
意味のカテゴリーが動物に適用されるかは解決されていない問題。意味が現実化するのは現実性と潜在性との区別である(293頁)。
ここでは「相互浸透」は「意識のコミュニケーションへの関与」ということでよいのかな(333頁)で、社会システムと心的システムは言語を介して構造的にカップリングしていると。言語なしに非言語的なコミュニケーションは生じないであろう。ごもっとも。
「逆に言えば、何かを話した人が、他の人はそれにまた別の意味を与えていることに気づくとしても、それをつねに修正することはその人にとって問題ではないのです」(370頁)。「もし、理解するという立場で伝達と情報が区別されないと、そもそもコミュニケーションは成立しません。---。ともかくコミュニケーションを知覚することができるのは、誰かが何かを言い、この「誰か」と「何か」とが区別できることが確認されるときです」(371頁)。
二重の偶有性の循環に誰が切れ目をインプットするのか、誰がこの非対称性を作り出すのか、答えは時間であり、あるいはまず最初に行為する人、もっとも早く権力を握る人です」(398頁)。
システム理論入門―ニクラス・ルーマン講義録〈1〉 (ニクラス・ルーマン講義録 1)
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