いやー、この本、古典的名著とされてるんだけど読むの難しいよ。とりあえず、確認できるのは「かかる隷属関係は律令制が新たに創造したものではなく、すでに大化前代において村落の入会権と並んで、その上に国造らの族長による山川藪沢の分割私有があり、かかる族長の上級所有権が律令制においても在地に保存されたことは明らかである」(33頁)。つまり、律令制の導入以前と導入以降には明らかな連続性があり、単純に和辻がいうように私的所有が廃止されたというほど単純ではないことを論じたものである。ま、これは笠松本読んだだけでも当時の所有関係の難しさはわかるはな。
- 作者: 石母田正
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1985/09/17
- メディア: 文庫
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