�川時代の宗教

 ベラーは、武士階級の倫理と、民衆の倫理がより連続したものであることを確認し、その中枢に「忠」の概念をおいているな(348頁)。そして、政治的価値が優位する江戸時代の社会体制が基本的にはそのまま明治政府に移行したと評価している。「�川時代以降の状況についてこの大まかな概観を要約すると、�川時代に存在したと考えられる中心価値体系は、近代において、おそらく一層強力かつ合理化されたかたちで、決定的に存続したということができる(356頁)。さて、ベラーと丸山の論争はどちらが正しかったことになるのだろう。

徳川時代の宗教 (岩波文庫)

徳川時代の宗教 (岩波文庫)