�川時代の宗教

 宗教の呪術的要素は弱まり、神道伊勢神道)にせよ、仏教(禅宗日蓮宗、浄土宗)にせよ、より合理化されたものになっていったと。ここで日本の二つの宗教の型を振り返ると。

第一の型は、報恩にかんするもので、焦点がなによりも第一に個人の自己以外の対象に対する関係におかれている。第二の型が、自己修養にかんするもので、焦点がそれ自身のうちにある個人の人格の統合に置かれている。両者のいずれにも、利己心は最大の罪なのである(159頁)。

 もっとも、「事実上、�川時代の日本に普遍的であったこの家族宗教は、一般に祖先崇拝とよばれる」(166頁)。

徳川時代の宗教 (岩波文庫)

徳川時代の宗教 (岩波文庫)