日本資本主義発達史

 講座派の古典的労作の第一編だけを、今となってみれば、戦国時代や江戸時代の評価が低いというか、すべて封建制で一括りにしてるとか難癖はいろいろつけられるし、「明治維新は徹底せる社会革命であった」と言われる一方、「反動的専制的絶対的性質を揚棄し得ない」(74頁)という評価ももっと別の面からできるだろうけど、ま、一応読んでおかないと。ここでは、明治維新にいたる過程の評価はこんな感じだ。

攘夷論は、先ず国民的覚醒と統一国家への欲求を喚起することによって、既に潜在的にあるいは個別的に醸成せられつつあった反封建的傾向に全国民的統一を与えたが、次いでそれが尊王論と結合することによって政治革命的スローガンとなった(73頁)。

初版日本資本主義発達史 上 (岩波文庫 青 136-1)

初版日本資本主義発達史 上 (岩波文庫 青 136-1)