まあ、一応これも。「人倫とか人間とか存在とかいう言葉は、すでに言ったように一つの表現だ。---。表現は生活の表現だが、生活がどういう風な現実的な物質的プロセスを通ってこの表現物にまで生産され結果したかという、そういう歴史的社会の物質的根底に触れた因果の説明はこの場合少しも問題にされない」(168-9頁)。唯物論を下敷きにしているが、和辻の表現というところに着目するのは分かる。ただ、オギュスタン・ベルクとは逆からみているような印象を受ける。
- 作者: 戸坂潤
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/09/16
- メディア: 文庫
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