下克上の解釈とかここまで書くんだと思ったけど、同時代的にみてどうだったんだろう。とはいえ、そんな記述があっても、この調子でいくとどこまでいってもその後の「思想的展開」は古代の人倫的国家の理想が反復されているということになるのだろうな。ま、それはそれで面白いし、古典解釈について私は何も言えないが、足利義満に対する昨今の評価はもう和辻の枠組みを超えているだろうし(考えようによっては平清盛だって)、国家や民族がなんのためらいもなく連続的に用いられていくことにはものすごくひっかかりを覚える。結局、和辻はすべての論理をここに収攬させていくのではなく、収斂させる場所から始めてるんじゃないだろうか?ということで、こっちの方がさらに問題になるのではと考えている後半になだれ込むことになる。
- 作者: 和辻哲郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/06/17
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