私の師匠筋の一人である河原宏先生の遺著。自分が和辻哲郎なんてまともに読むことになるとは思ってもみなかったが、振り返って見れば、あつかましくも先生の学統ということが許されるなら、私がそんなことを始めてもおかしくはないのだな。
その時はまだ自覚していなかったが、何ヶ月後には懸命に国家とはなにか、天皇とはなにか、戦争とはなにか、そうして自分が戦うとすれば何を護って戦うべきかを自問するようになる。死が着々と自分に近づいてきたからである。当時、このような問いを口に出すことはできなかった。公的に答えは与えられていた。私は黙って、しかし明確にそれを受け入れることは拒否していた。一人で考えるより仕方なかったのである。
- 作者: 河原宏
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- 作者: 河原宏
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この辺りの本はいまでも一読の価値ありかと。
- 作者: 早稲田大学社会科学研究所
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- 発売日: 1970
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- 作者: 河原宏
- 出版社/メーカー: 早稲田大学出版部
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