中井久夫のことば

 本日の朝日朝刊から、

 ---。僕らは教訓より、現地の中の声に耳を傾けるべきだと思う。
 だから分かったようなことは、何も言えない。被災した人たちが切り開こうとする道を尊重していくしかない。---。
 周囲の人は、いま出来ることをやるより他にないと思う。---。
 ---。心の傷は回復する能力を持っている。だからこそ被災者に敬意を持って、自尊心を尊重するのが大切だと思う。
 ただ「誰かがいてくれる」というだけでも意味がある。目の前で親や子を亡くした人は、大変な心の傷を負っている。しばらくは呆然としているが、徐々に視界が広がるようになってくる。---。周りのことが見えるようなった時に、体験を分かち合っていく事がとても大切になる。
 忘れられるのが最大の危機だと思う。---。
 それから阪神の経験で言えば、40〜50日でやるべきことはやっておかないと、その後は頭が動かなくなる。---。