中抜き

 何かと言えば「民意、民意」と口にしては、言うことがころころ変わる輩にうんざりしているところに、本日の朝日朝刊掲載の長谷部恭男と杉田敦との対談は、我が意を得たりという感じで面白かった。
 「デモクラシーというのはそれ自体が目的ではない。中長期的な社会全体の利益、個々人の私有や権利を実現していくための手続きで」あるわけだが、「中間的な勢力を抜いていこうという「中抜きのポピュリズム」が強まっています」。「しかし中長期的な社会の利益という観点からは、中間勢力を潰していくことには非常に大きな問題がある」(長谷部)。「答えはある、調整や審議の必要はない、あとは実行するだけなのに中間勢力が邪魔している、というわけです。本当にそうでしょうか」(杉田)。
 まあ、その中間勢力もしょうもないという問題があってなかなか大変なわけですが、そして、中間勢力が駄目になっているというのは政治の局面だけにかぎった話ではないと思う昨今なわけですが---。
 
 ところで、その斜め下に朝日新聞出版の「マンガ新日本史」の広告があって、緊急発売「お江」というのもなかなかなのだが、第一巻が「ヤマトタケル」、他に「安倍晴明」なんかも出てる。大丈夫なのかしら。