小津とか成瀬とか昔の日本映画を見ているとなんだかうれしくなってくる。俳優の顔ががぜんよいのだ。あのアクの強い顔がならんでいるだけで思わず見ほれてしまう。伊藤雄之介なんて知っているだろうか。これがスゴイ顔なのだ。
 今日、映画館で『鉄人28号』の予告編が流れたのだが、それを見ていたら似たような気分になった。そう、昔のアニメじゃ顔はこんな感じだったのだ。ロボットだってあんなずんぐりむっくりした感じのばかりだったのだ。それを見るだけでなんだかたまらなくなる。俳優の顔がいつしか変わっていったように、アニメの顔もいつのまにか変わってしまった(これはルパン3世シリーズで峰不二子の顔がどう変わっていくかを確認するだけでも分かるはず)。そして、その顔が訴えるものも変わってしまった。